西暦2030年。超高度ネットワーク社会で凶悪化していくサイバーテロや電脳犯罪に対抗するため、政府は非公認の超法規特殊部隊・公安9課(通称:攻殻機動隊)を組織した。
世の中に不満があるなら自分を変えろ。
それが嫌なら耳と目を閉じ、口をつぐんで孤独に暮らせ。
それも嫌なら…
草薙 素子(MOTOKO KUSANAGI)全身を義体化したサイボーグ 元陸軍501機関所属
「そう囁くのよ、私のゴーストが」
「もし電脳それ自体がゴーストを生み出し、魂を宿すとしたら。その時は、何を根拠に自分を信じるべきだと思う?」
「さて、どこへ行こうかしらね。ネットは広大だわ」
電脳技術という新たな情報ネットワークにより、独立した個人が、結果的に集団的総意に基づく行動を見せる社会現象を指し、孤立した個人(スタンドアローン)でありながらも全体として集団的な行動(コンプレックス)を取ることを意味する。スタンド・アローン・コンプレックス化が進むことによって最終的に社会から個性が消失する可能性があるが、草薙は、並列化されたタチコマたちが個性を獲得した現象を元に、「好奇心」が解決の糸口になるのではいかと推測する。