人間は何も学ばない

「雨が降ったら傘さして 傘がなければ濡れてゆく そんな人生がちょうどいい」

「ループ」----「リング」3部作の真髄

 

いまさら、もう説明するまでも無く、この「リング」という作品は世間に知れ渡っています。

映画はもちろん、TVドラマ、ゲームなど様々なメディアで取り上げられました。

それこそ本当にリングウイルス(貞子ウイルス)の蔓延みたいです。(苦笑)

 

ところで皆さんは、続編の「らせん」、「ループ」は読まれたでしょうか?

読まれた人はご存知でしょうが、「らせん」、「ループ」は単なる続きではありません。

「リング」のホラーのイメージが強すぎた為、続編も単なるホラーだと思っている人が多いようです。

確かに「らせん」までは、ホラーのイメージを引きずっています。

しかし、実際はホラーから進化してゆき、ますます違う方向へエスカレートしてゆくのです。

私の主観では、「らせん」は「リング」の数倍面白く、「ループ」は「らせん」の十倍以上面白いのです。

 

まだ読んでいない人の為に、あまり具体的な内容を言うとせっかくの楽しみを奪いかねないので、多くは語れませんが、とにかく展開がスゴイのです。

 

「リング」、「らせん」は映画化されましたが、さすがに「ループ」は映画化されていません。

(本を読んだ人なら、この二本ですら原作に忠実に映像化できてないのが理解できると思いますが・・・)

それほど「ループ」はスケールが凄すぎて映像化が難しいのです。

 

少しだけ、ストーリーの序盤を説明しますと、「リング」「らせん」で起こったことは、全てバーチャルな空間の出来事であり、本当の恐怖は現実の世界に、その影響が迫りつつあることに・・・・・

 

これ以上は、実際読まれたほうが良いと思います。起承転結、転結、転結・・・の繰り返しで意外な結末へ向かって行きます。

 

最近は、先に「映画」ができて、それを「本」にするケースが多いですが、やはり、本には本でしか味わえないものがあります。

 

原作者の鈴木光司さんの人柄も意外(失礼!)にヒューマニズムにあふれた人で、本のイメージとのギャップに驚きます。(そのヒューマニズムが「ループ」に表現されている気がします。)

 

できれば、「リング」3部作、最初から読まれると、より深みが出てくると思います。

文庫本になってお安く手に入りますからね!