人間は何も学ばない

「雨が降ったら傘さして 傘がなければ濡れてゆく そんな人生がちょうどいい」

「雨が降ったら傘さして 傘がなければ濡れてゆく そんな人生がちょうどいい」

 

灰谷健次郎さん

私の好きな作家のひとりです。

灰谷さんとの出会いはテレビコマーシャルでした。

確か焼酎のCMだったと思います。こんな詩でした・・・・・・・・・・

                                                                   

「雨が降ったら傘さして 傘がなければ濡れてゆく そんな人生がちょうどいい」

 

・・・・・最初は気にもとめませんでした。
やがて、何回も見ていると詩の内容の意味が当たり前すぎて、

「何を言ってるの!こんなの詩でもなんでもない!」と怒りさえ覚えました。

でも、ある時不思議なもので作者の意図することが瞬間的にみえてきたのです。

(解説するつもりはありません。)

それからは私の座右の銘のひとつになりました。

敬意を込めて、このブログのサブタイトルにもさせてもらいました。

しかし、灰谷さんの図書に出会うまでにはかなり時間がかかりました。

CMには灰谷さんの名がでていた記憶があったのですが手遅れでした。

必死になって本屋で調べました。

(どうやらCM用に作った詩のようでした・・・・・)

なんとか、見つけました灰谷さんの本を・・・それが今回紹介する「我利馬(ガリバー)の船出 」です。

勿論CMの詩は載ってません。
本の冒頭は少し意外でした、

 

「生まれ変わりたいと思うことだけが生きがいの人間にとっては、自分の国も家庭も必要ではない。・・・・・・・・」

 

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16才の少年が現実社会に失望、絶望してひとりでヨットを作り国を離れるのです。

確かに前半の内容は現代の社会を反映しているようで悲しいです。

しかし少年はヨットを作りながら出会った人や、ひとり海の真ん中で遭難した経験や、たどり着いた南の島でいろいろな体験を重ね成長していくのです。

 

灰谷さんは、小学校教師を17年間勤めた児童文学者のひとりです。

代表作に「兎の眼」「太陽の子」「天の瞳」などがあり、子供たちの感性を非常に大切に考えたひとでした。

もし、何かの機会に読む機会がありましたら目を通してみて下さい。