人間は何も学ばない

「雨が降ったら傘さして 傘がなければ濡れてゆく そんな人生がちょうどいい」

「教えたつもり」

私の上司の話をします。とても尊敬できる人です。

私が入社したばかりの時の事でした。

 

誰でもそうでしょうが最初はアルバイトのやるような仕事をやらされます。

 

私は、その時単純なミスをして、不良品を見逃してしまいました。

当然、怒られるものだと覚悟しておりました。

しかし、怒らないのです、その上司は。

 
むしろ、その逆で「おおらか」な態度で接してくるのです。

私は、不思議でなりませんでした。

    

「なぜ、怒らないの?」


別に「その上司」が、おとなしいとか気弱とかではありません。

むしろ、その逆で「言いたい事はズバズバ言うタイプ」の人なのです。


     
勿論、他の部下に対しても「怒り(いかり)」をみせないのです。

 

ただ、私は、その上司がさらに上の上司から私たちのミスの件で怒られている所を目撃していました。

 

仕事にも慣れ、その上司とも信頼関係が成立した際におもいきって聞いてみました。

    

「なぜ、仕事のミスを怒らないのですか?」と・・・

 

すると上司はこう言いました。
   


ミスをさせたのは、

自分が仕事を教えた「つもり」だったから、

 

自分が勝手に、

相手が仕事を理解した「つもり」と思っていたから、と言いました。

    

確かに、今の職場では「中途半端」な指導をして、ミスをしたら、すぐ怒る、他人のせいにする傾向にあります。

 

相手がミスをしたのは、自分のミスと認める人は少ないのです。

  

それでは、悪循環なのです。

 

私が、その上司から怒られる時は、私の指導した後輩がミスをした時なのです。

 

 

こんなことも言われました。

私の評価は「私の後輩の仕事ぶり」を見て行うと。
  

 

ひとは勝手に、教えたつもり、理解したつもりで「物事」を解釈してしまいます。

自分の尺度でいろいろな事を解釈してしまいます。

この事は、学校の教育でも家庭の教育でも同じなのです。

勿論、社会教育も例外ではありません。
             

 

当たり前のモラルが守れない、礼儀作法がなってない。

こんな漢字が読めない。こんなことわざを知らない。

それは、教えたつもりであって実際は何も教えていないのです。